A4判 104頁 |
高木基金の助成を受けた研究・研修のレポートです。
高木基金の助成に応募しようとお考えの方は、ぜひ、過去のレポートをご覧頂き、応募の参考にして下さい。
◆報告集の発行にあたって
◆注文方法
高木仁三郎市民科学基金
代表理事 河合弘之
高木基金は、2001年10月に第一回の助成募集を発表し、この10年間で、累計177件の調査研究・研修に、合計9353万円の助成を実施して参りました。この助成報告集は、主に、2009年度に実施された調査研究等の成果をとりまとめたものです。
ご高承の通り、高木基金は2000年に他界した高木仁三郎さんの遺産と、仁三郎さんの「偲ぶ会」にお寄せいただいたお香典や、基金の趣旨に賛同して下さったみなさまからのご支援によって設立されました。
一般的に、助成を行う財団等は、相当額の基金を確保し、その運用益を助成財源としたり、あるいは、企業が本業での利益を社会に還元するかたちで毎年の助成資金を支出していますが、高木基金の場合は、みなさまからの毎年の会費や寄付が、毎年の助成の財源となっております。
おかげさまで、2010年度末には、設立時からの収入累計が、約2億1150万円となりました。これは、仁三郎さんの残された約3000万円の遺産が、みなさまからのご支援で、7倍以上に拡大したといえるものであり、みなさまからの温かいご支援に心から御礼を申し上げます。
高木基金が設立されてからの10年間を振り返ると、設立当初は、文字通り、試行錯誤の繰り返しでした。助成募集や選考の仕組みを確立することが最初の難題でした。公開プレゼンテーションや成果発表会を開催する中で、助成を受ける人と、会費や寄付を通じて助成先を応援してくださる人との相互交流を大切にするなかで、徐々に事業が軌道に乗ってきました。この助成報告集も、助成によって行われた調査研究等の成果を記録し、より多くの人に活用していただくために、編集・発行に力を入れてきました。
たくさんの方々が、様々なかたちで参加、協力をしてくださったことにより、設立から10年の節目を迎えられたことを嬉しく思い、2011年度は、さらにこの先の10年に向かい、具体的な展開を構想していかなければならないと考えていたところでした。
そのような中で、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と津波により、福島第一原発で、懸念されていた過酷事故が発生しました。膨大な量の放射能を内部に蓄えたかたちで運転していかざるを得ない原子力発電が、つねに抱える破局的な事故の可能性を指摘し、批判してきた高木仁三郎さんの危惧が現実のものとなってしまいました。現時点においても、原子炉を「冷やす」ことも、放射能を「閉じ込める」こともできないという極めて深刻な状況が続いています。
高木基金としては、この「福島原発震災」を受けて、緊急の公募助成および委託研究に取り組むこととしました。具体的には、高木基金のウェブサイトなどに記載しておりますが、私たちの目指す「市民科学」の真価が問われる問題だとの認識にたち、理事会、事務局として、全力で取り組んでいく考えです。
今後の展開は予断を許しませんが、引き続き、みなさまからのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
ご注文は、お送り先のご住所と必要部数を明記の上、
下記の郵便振替口座に、1冊500円(送料・手数料)を
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郵便振替口座 : 00140−6−603393
加入者名 : 高木仁三郎市民科学基金